歯を失った際の選択肢として、インプラントは非常に優れた治療法です。
しかし、外科手術を伴う治療である以上、絶対的な安全性が求められます。
当院では患者様の大切な体に人工物を埋め込む責任の重さを深く理解し、妥協のない準備と環境を整えています。
「噛める喜びを取り戻す」だけでなく、「他の健康な歯を守る」ためのインプラント治療について、私たちの考え方と取り組みを詳しくご説明します。
ご自身の歯のような噛み心地を目指して【歯を失ってお悩みの方への選択肢】
虫歯や歯周病、あるいは不慮の事故などで歯を失ってしまった場合、その機能を回復させる必要があります。
放置すれば、噛み合わせのバランスが崩れ、残っている健康な歯に過度な負担がかかり、ドミノ倒しのように他の歯まで失ってしまう危険性があるからです。
これまで、歯を失った場所を補う方法としては「ブリッジ」や「入れ歯」が一般的でした。
しかし、ブリッジは両隣の健康な歯を削らなければなりません。
入れ歯は、金属のバネを他の歯にかけて固定するため、支えとなる歯に揺さぶるような力がかかり、寿命を縮めてしまいます。
これに対し、インプラントは顎の骨にチタン製の人工歯根(フィクスチャー)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
独立した柱を立てるため、周りの健康な歯を削ることも、負担をかけることもありません。
「他の歯を犠牲にしない」という点で、予防歯科を重視する当院が最も推奨する治療法です。
天然歯のような噛み心地と見た目
インプラントの最大の特長は、顎の骨と強固に結合することです。
入れ歯のようにガタついたり、硬いものが噛めなかったりすることはありません。
天然の歯と同じように、ステーキや堅焼きせんべいなど、お好きなものを力強く噛んで味わうことができます。
また、見た目においても非常に自然です。
歯茎から歯が生えているような自然な立ち上がりを再現できるため、会話中や笑った時にも、人工の歯であることに気づかれることはほとんどありません。
お口の機能性と見た目の審美性、その両面の改善を追求できる選択肢です。
当院の安全対策における3つの柱
リスクを極限までゼロにするために
インプラント治療は外科手術です。
失敗は許されません。
当院では、患者様に安心して手術を受けていただくために、3つの安全対策を徹底しています。
1:歯科用CTによる三次元診断
インプラントを埋め込む顎の骨の中には、無数の神経や血管が走っています。
また、骨の厚みや高さ、密度は患者様一人ひとり全く異なります。
従来の二次元のレントゲン写真だけでは、これらの内部構造を正確に把握することは不可能です。
勘や経験だけに頼った手術は、神経損傷や大量出血といった重大な事故につながるリスクがあります。
当院では、インプラント治療を行うすべての患者様に対して、手術前に必ず歯科用CT撮影を行います。
コンピュータ上で顎の骨を三次元的に再現し、骨の量や神経の位置をミリ単位で計測します。
見えない部分を可視化することで、確実で安全な手術計画を立案します。
CT診断なしにメスを握ることは、当院では絶対にありません。
2:サージカルガイド(ガイデッドサージェリー)
CTで完璧な計画を立てても、実際の手術でその位置に正確に埋め込まなければ意味がありません。
人間の手の感覚には、どうしても微細なズレが生じます。
そのズレを物理的に無くすために、当院では「サージカルガイド」という手術用テンプレートを必ず使用しています。
これは、CTデータに基づいて作製されたマウスピース型の装置です。
このガイドには、インプラントを埋入する正確な位置、角度、深さがプログラムされた穴が開いています。
手術時には、このガイドをお口に装着し、その穴に沿ってドリルを進めるだけで、計画通りの位置にインプラントが入ります。
フリーハンド(手感覚)での手術は行いません。
サージカルガイドを使用することで、神経や血管を確実に避けられるだけでなく、手術時間の短縮や、傷口の縮小(低侵襲化)にもつながり、術後の腫れや痛みを大幅に抑えることができます。
3:世界基準の感染対策と徹底した滅菌体制
インプラントは、骨の中に異物を埋め込む手術ですので、細菌感染は絶対に避けなければなりません。
手術中に細菌が入り込むと、インプラントと骨が結合せず、脱落してしまう原因になります。
当院では、一般の診療室とは隔離された清潔な環境で手術を行います。
使用する器具は、世界最高水準のクラスB滅菌器ですべて滅菌処理を行い、手術直前に開封します。
ドクターやスタッフが着用するガウンやグローブ、患者様を覆うドレープなどもすべて滅菌済みの使い捨て製品(ディスポーザブル)を使用します。
目に見えない細菌レベルでの清潔さを追求し、感染リスクを徹底的に排除しています。
世界的信頼性を誇るインプラントメーカー
ストローマンインプラント
インプラント体(人工歯根)を製造しているメーカーは、世界中に数百社以上あると言われています。
中には安価なコピー製品や、長期的な臨床データが存在しないものも少なくありません。
体の中に埋め込み、数十年という長い期間使い続けるものですから、製品の品質と信頼性は極めて重要です。
当院では、世界シェアNo.1を誇るスイスの「ストローマン社」のインプラントを採用しています。
ストローマンインプラントは、世界で最も多くの臨床研究と長期データに裏付けられた、科学的根拠のある製品です。
骨との結合スピードが早く、治療期間を短縮できるだけでなく、長期的な安定性においても優れた成績を残しています。
万が一、転居などで当院に通えなくなった場合でも、世界中で普及しているストローマンであれば、転居先の歯科医院でメインテナンスを継続できる可能性が高いという安心感もあります。
コストのみを優先した安価なインプラントは使用いたしません。
難症例への対応と骨造成
骨が足りないと言われた方へ
インプラント治療を行うためには、人工歯根を支えるだけの十分な骨の量が必要です。
しかし、歯周病で歯を失った方や、入れ歯を長く使っていた方は、骨が痩せて薄くなっていることがよくあります。
他院で「骨が足りないからインプラントはできない」と断られた経験がある方もいらっしゃるでしょう。
当院では、骨を増やすための「GBR(骨誘導再生法)」や「ソケットリフト」という技術を用いて、骨が不足している難症例にも対応しています。
GBR(骨誘導再生法)
骨が薄くなっている部分に、ご自身の骨や人工骨補填材を置き、特殊な膜(メンブレン)で覆うことで、骨の再生を促す方法です。 インプラント埋入と同時に行う場合と、事前に骨を作ってからインプラントを行う場合があります。
ソケットリフト
上顎の奥歯の上には「上顎洞(サイナス)」という空洞があります。
骨の厚みが不足している場合、この空洞の底を少し持ち上げ、そこに骨補填材を入れて厚みを確保する手術です。
傷口が小さく、患者様の身体的負担が少ない方法です。
※なお、より広範囲に骨を増やす「サイナスリフト」が必要な極めて骨が少ない症例については、身体への侵襲性を考慮し、提携する大学病院等の専門機関へご紹介させていただく場合があります。
痛くない・怖くない手術
静脈内鎮静法
手術に対する恐怖心や不安感が強い患者様のために、当院では「静脈内鎮静法」を実施できる体制を整えています。
これは、点滴から鎮静薬を投与し、半分眠っているようなリラックスした状態(うたた寝のような状態)を作り出す麻酔法です。
全身麻酔とは異なり意識はありますが、不安や緊張が和らぎ、時間の感覚も短く感じられます。
「気づいたら手術が終わっていた」と感じる患者様が多く、精神的なストレスをほとんど感じることなく治療を終えることができます。
歯科麻酔の専門医が生体モニターで全身状態を管理しながら行いますので、安全です。
高血圧などの持病をお持ちの方や、嘔吐反射が強い方にも強くお勧めしております。
トリートメントコーディネーター
納得して治療に進むために
インプラント治療は、費用や期間、手術への不安など、患者様にとって大きな決断を伴う治療です。
歯科医師の説明だけでは理解しきれない部分や、先生には直接聞きにくい疑問もあるはずです。
当院では、患者様と歯科医師の間に立つ専任の「トリートメントコーディネーター」が在籍しています。
専用のコンサルテーションルーム(個室)をご用意しており、プライバシーが守られた空間で、ゆっくりとご相談いただけます。
どのようなことでもご相談ください
- 見積もりの詳細を知りたい
- 保険治療との違いをもう一度聞きたい
- 痛みが心配
どのようなことでも構いません。
トリートメントコーディネーターが、患者様の心に寄り添い、不安が解消されるまで丁寧にご説明します。
無理に治療を勧めることは決してありません。
ご自身で納得し、「ここで治療を受けたい」と思われた時に、治療をスタートしましょう。
インプラント治療の流れ
確実なステップを踏んで、一人ひとりのお口の状態に合わせたインプラント治療を進めます。
Step 1:診査・診断・治療計画
全身の健康状態について問診を行います。
歯科用CT、レントゲン撮影、口腔内写真撮影、模型検査などを行い、骨の状態を精密に分析します。
検査結果に基づき、最適なインプラントのサイズ、本数、位置、費用、期間などを記載した治療計画書を作成し、詳しくご説明します。
Step 2:前処置(環境を整える)
すぐに手術を行うわけではありません。
お口の中に虫歯や歯周病菌が多い状態で手術をすると、感染のリスクが高まります。
まずは徹底的なクリーニング(歯周病治療)を行い、お口の中を清潔にします。
また、必要に応じてGBR(骨誘導再生法)を事前に行うこともあります。
土台となる環境を整えることが、インプラントの成功率を高めます。
Step 3:インプラント埋入手術(一次手術)
局所麻酔、または静脈内鎮静法下で手術を行います。
サージカルガイドを使用し、計画通りの位置にインプラントを埋入します。
手術時間は本数によりますが、1本あたり数十分程度です。
その後、インプラントと骨が結合するまで、約2ヶ月〜6ヶ月の治癒期間(待機期間)を置きます。
Step 4:二次手術(粘膜貫通手術)
インプラントと骨がしっかり結合したことを確認した後、歯茎を少し切開してインプラントの頭出しを行い、土台となる部品を装着します。
※お口の状態によっては、一次手術の際にこの処置まで行う(1回法)こともあります。
Step 5:型取り・修復物の装着
歯茎の状態が安定したら、精密な型取りを行います。
作製した人工歯(上部構造)を装着し、噛み合わせを調整して治療完了です。
メインテナンスと10年保証
入れた後からが本当のスタート
インプラントは虫歯にはなりませんが、「インプラント周囲炎」という病気にかかるリスクがあります。
これは歯周病と同じように、歯垢や歯石に潜む細菌が原因で、インプラントを支えている骨が溶けてしまう病気です。
進行すると、せっかく入れたインプラントが抜け落ちてしまいます。
天然の歯よりも防御機能が弱いため、一度感染すると進行が早いのが特徴です。
これを防ぐためには、ご自宅での毎日の丁寧なケアと、歯科医院での定期的なメインテナンスが不可欠です。
当院では、インプラント治療を受けられた患者様に、3ヶ月に1回程度のメインテナンス通院をお約束いただいております。
専門の歯科衛生士が、インプラントの状態、歯茎の炎症、噛み合わせのバランスをチェックし、専用の器具でクリーニングを行います。
また、就寝中の歯ぎしりからインプラントを守るために、ナイトガード(マウスピース)の使用も推奨しています。
なお、当院では安心して治療を受けていただくために、インプラント本体に対して「10年間の保証期間」を設けています。
定期的なメインテナンスに通っていただくことが保証の条件となりますので、二人三脚で大切に守っていきましょう。
インプラント治療費用
安心の明確な料金体系
インプラント治療は健康保険が適用されない自由診療(自費診療)です。
当院では、治療前に総額のお見積もりを提示し、追加費用が発生しないよう透明性のある会計を行っています。
※価格はすべて税込です。
インプラント診断料
| 項目 | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| CT撮影 | 11,000円(税込) | 顎の骨など立体的に確認するための撮影です。 |
| オルソパントモ | 5,500円(税込) | 歯や顎の骨の状態を確認するためのパノラマレントゲン撮影です。 |
| サージカルガイド作製料 | 82,500円(税込) | インプラントを計画した位置へ正確かつ安全に埋入するための補助装置です。 |
| プロビジョナル | 33,000円(税込) | 見た目や噛み合わせを確認・調整するための仮歯です。 |
上部構造(被せ物)費用
スクリュー固定式
メンテナンス時に取り外しが可能な、推奨される固定方法です。
- フルジルコニア
- 220,000円(税込)
- ジルコニアボンド
- 242,000円(税込)
費用の目安
インプラント1本あたりの総額目安:約632,500円〜654,500円(税込)
(診断料+基本手術料+フィクスチャー+2次手術+スクリュー固定式上部構造)
※骨造成が必要ない場合の標準的な金額です。
医療費控除について
インプラント治療にかかった費用は、医療費控除の対象となります。
確定申告を行うことで、所得税や住民税の一部が還付・減額される制度です。
治療費の領収書は大切に保管してください。
詳しくは、国税庁のホームページをご覧いただくか、税務署へお問い合わせください。
一生噛める人生を諦めないでください
「入れ歯が合わなくて痛い」
「健康な歯を削りたくない」
「もう一度、思い切り硬い肉を噛み締めたい」
そのような願いをお持ちの方にとって、インプラントは人生を変える力を持っています。
早乙女歯科医院は、確かな技術と万全の設備、そして誠実な診断で、皆様の願いを叶えるお手伝いをします。
手術への不安がある方も、まずはトリートメントコーディネーターとお話をしてみませんか。
あなたの人生の質を高めるための第一歩を、ここから踏み出しましょう。

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